便秘を引き起こす病気(その2)

前回は腸や肛門の直接的な異常のために便秘を起こす病気について書きましたが、今回は腸や肛門に異常がなくても起きる便秘について書こうと思います。
1)糖尿病
 腸管の動きは自律神経によって調整されており、糖尿病が進行してくると自律神経が障害れれて腸管の動きが悪くなり便秘とな  
 ります。
2)甲状腺機能低下症
 潜在性も含めると日本では約700万人もおり日常的な疾患で、8割以上が女性と言われています。機能低下症では全身の新陳代謝
 が低下して、腸管の動きが悪くなり便秘となります。
4)慢性腎不全
 腎臓の悪い人はカリウムや水分を控える必要があり、カリウムを多く含む食物繊維の豊富な食材を制限されることがあります。
 また尿毒素が腸内細菌のバランスを乱すといわれています。
5)脳血管障害 脊髄損傷 パーキンソン病などの神経疾患
 脳血管障害や脊髄損傷では麻痺が残ることが多く、このため運動不足となったり便意があっても気張れずに排便しにくくなりま 
 す。またパーキンソン病では自律神経の障害や治療薬の副作用などでも便秘を合併します。

 これらが便秘を併発しやすい疾患の一部ですがほかにもうつ病などの精神疾患 膠原病 など多岐にわたります。
難治性の便秘があれば必要に応じて症候性便秘を疑うことも必要です。
 

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